東京放射線量警報器、始めました

この一ヶ月は本当に大変な一ヶ月でした。まずは震災に遭われた被災者の方々に心からお見舞い申し上げます。私も東北出身ですが、実家の方では幸い大した被害もなく、多少不自由な生活ではあるものの無事日常を送っているとのことです。

今回の震災が今までと違うのは、福島原発の大事故という日本全土を不安に陥れる深刻な事態が発生してしまったことです。関係者の必死の尽力が続いていますが、事態の収束は未だもって先が見えず予断を許さない状況です。とはいえ、我々一般生活者としては、いたずらに怯えることなく、諸情報の収集・分析に努め、それらを冷静かつ主体的に判断して自らを律する事を旨とすべきでしょう。福島の現場や、拡散した放射線の状況は各種マスメディアで日常的に伝えられていますし、何よりネットで計測数値等を容易に閲覧できるようになっています。一昔前ならとてもこうは行かなかっただろうと、「情報化社会」という普段考えなしに使ってしまう言葉の重みを実感しています。

けれど、たとえ携帯端末を持っていても放射線量測定のサイトを四六時中チェックするのは結構大変です。放射線量計測値を定期的にツイートしてくれるサービスもちらほらあるようですが、こちらもその道のプロではないので、放射線量そのままではなくて普段見られない変動だけを知らせてくれると有り難いのにな... というような極私的な欲求を元に、放射線量の変動を機械的にチェックして留意すべき情報をプッシュする、というサービスを突貫工事で作りました。「東京放射線量警報器」です。

使い方は簡単。ツイッターアカウント @TRDAlert が放射線量変動等の留意を要すると思われるインシデント(留意を要すると思われる「できごと」)や、簡単な定期レポートをつぶやきますので、これをフォローして下さい。詳しくはウェブページをご覧下さい。注意して頂きたいのは、この情報配信は「危険だ!!」と呼びかけているものではなく、各自が判断し易いように簡素かつ速報性のある情報を提供することを目的にしています。なので、ツイートの内容が気になったら文中にある URL にアクセスして放射線量グラフ等を確認の上、各自で危険の是非等を判断する、という使い方をお薦めします。

最後に言い訳ですが、在京者以外の方にはあまり意味が無いサービスですね。なにぶん私が東京在住ですので、自分と家族を守ることを優先したエゴをご容赦下さい。仕組みはほぼ出来上がっているので、機械的に取得可能な放射線量計測値のソースさえあれば他県版を増設するのも大した手間ではないかと。その辺も含め、ご意見・ご要望等を @TRDAlert に頂ければ可能な範囲で対応します。

せっかく作ったサービスですが、出来れば警報の類は一度も発せられなければいいな、と心底思います。皆様のお役に立てますように。タフに明るく、生き抜きましょう。

'15.6.10 追記 : 東京放射線量警報器をクローズしました。