実録! Lion アップグレードで七転八倒

先日、自宅 Mac を(ようやく) Snow Leopard から Lion にアップグレードし終えたのですが、これがどうにも一筋縄じゃいかない苦難の連続でした。ネットで調べても同様な現象に悩んでいるという話は発見できなかったので、余程特殊なケースだったのかもしれませんが、それでも何らかのケーススタディになる可能性もありますので、一連の七転八倒をドキュメント風に記しておきます。

その前にウチの Mac の諸元や履歴を少々。機種は Mid 2010 と呼ばれる、2010年6月発売の MacMini で、2.66GHz / 8GB / 500GB というスペックです。HDD は、購入して半年程の2010年暮れに不具合が発生(不良ブロックが発生してシステムがハングアップ、初期化→レストアしてもすぐに再発)したので、自分で同等スペックのものに換装した経緯があります。また、この機種以前は MacBook を使っており、Leopard の頃からタイムマシンでバックアップをとり続けています。なので、MacMini にスイッチした際もこのバックアップからの復元で初期化してあります。

'12年1月15日、Install Mac OSX Lion.app でのインスコ失敗

Lion が発表されてから半年。仕事に使うマシンなので、慎重を期して不具合発生やアプリの対応状況等を見極める為に様子を見守ってきた訳だけど、そろそろいいだろう。年も明けて、新しい環境に切り替えて気分を一新したいし。ということで、AppStore から Lion インストーラをポチッとなと。最後のバックアップもタイムマシンで取ったし、さー、レッツゴー・インストロール!! おっとその前に、このインストーラはインストール後には無くなってるらしいので、万一に備えて DVD に保存しとこうね(これが後日、本当に役に立つとは…w)。さて準備万端。インストーラをダブルクリック。ふんふん、DVD からのインスコじゃないのでサクサク進むねぇ… などとマンガなぞ読みつつボケっとしてる間に「インストールが完了しました」となったので再起動。…あれ? グレーのリンゴ画面から全然前に進まんなー。15分程経過してもいっこうに変化が無いのでハードウェアリセット。…ダメだ、完全にハマってしまった。明日も仕事がてんこ盛りなので、今日のアップグレードは諦めて、元に戻すしかないなぁ。そう言えば、こういう時の為(?)にリカバリーモードってのがあるらしいな。Option を押しながら再度リセットと。おー、復旧用のドライブキター。ここからタイムマシン復元でとりあえず元通り。はー、肝を冷やしたぁ。原因は追って調べることにしよう。ヘコむなぁ…

'12年1月20日、インストールディスクを作る

上記インスコ失敗について、ネットでそれとなく調べたりしてたんだけど、これといった情報なし。ただ、インストールアプリにはディスクイメージファイルが含まれていて、これを DVD に焼き焼きするだけでインストールディスクが作れるってことを、某所ハケーン。仕事の都合でインスコまではいけないけど、とりあえずディスクは作っとこう。

'12年春頃

インスコでコケるのは H/W の不具合かしらん。ここは一発、内蔵 HDD を SSD に換装してスピードアップと一石二鳥を狙うか? でもまたあのギチギチな内部にアクセスして薄氷を踏むような思いはヤだなー… などと悶々とした時期を過ごしながら仕事にかまける。

'12年6月19日、再チャレンジ

使ってみたい某アプリ(っていうか先日ここに書いた VideoCanvas って動画編集ソフト)が Lion 以降の対応で、スノレパでは動作しないと判り「はうっ」と困ってみるテスト。うーん、数ヶ月後には Mountain Lion も来そうだし、ここは一発!! と、重い腰を上げてアップグレードの再チャレンジを開始。今回は、先般(上記)作ったインストールディスクからの上書きインスコを試してみることに(以下箇条書き)。

  1. インストールディスク(DVD)から Mac を起動。これがずいぶん時間がかかる(計ってなかったけど10分くらい?)。
  2. メニュー「ユーティリティー」からインストール開始。以降の手順はインストーラアプリからのそれと同じっぽい。
  3. 「インストールの準備中です…」のプログレスバーが2/3程のところで止まっちゃったけど(下図)、「残りXX分」という表示は刻々変わっているのでハングアップでも無さそう。少し辛抱強く待ってみよう、とシャワー浴びて戻ってきたら少し進んでたw
  4. さらにメシを食う等して数時間後、インストール最後の段階で「いくつかの情報を転送できません」と表示されてる。いちおう、次に進むことはできるようなので AppleID の入力等して「Lion を使う」をクリックしたら画面が一面真っ白な常態になり、にっちもさっちも行かない状態に。残念、断念(韻踏んでる場合か)。


'12年6月21日、クリーンインスコ

という訳で上書きインスコを諦め、いったんクリーンインストールしてからタイムマシン復元をする方法にチャレンジ(以下箇条書き)。

  1. 前回と同様、DVD から起動して、ディスクユーティリティで HDD を真っさらにしてからインストールを開始。
  2. これも前回と同様で途中、やたら待たされる箇所があるけど、今度はちゃんと最後までインストールが進む。
  3. インストール最後の再起動も問題なし。Lion が起動した!!
  4. 記念に、じゃない(w)、今後もインスコを何度も試行することになるかもしれないので、この Lion 初期状態を余ってる HDD を使ってタイムマシンバックアップ。
  5. バックアップが終わったので、Lion 上にてタイムマシンからスノレパ時一式の復元を開始。
  6. 暫くして復元終了…なんだけど、あれ?「互換性のないソフトウェア」というメッセージが(下図)。困っててもどーしようもないので、とりあえず再起動を。
  7. またしてもグレーのリンゴマーク画面で起動がストップ。これを verbose mode で確認したら「nstat_lookup_entry failed: 2」という所で停止するみたい(下図)。意味わからんけど。



'12年6月22日、タイムマシン復元を諦める

ここいらで一連の不具合は Lion インストールそのものではなく、タイムマシンからの復元にありそうだというのがうっすらと分かってきた。復元の項目には、ユーザ・アプリケーション・設定・その他のファイル、と4種類があるので、これらをひとつずつ復元して切り分けしてみた(めんどくさいけど)。結果、「アプリケーション」の復元に問題があると判明。これを受け、タイムマシン復元という方針を再考。その結果、

  • Leopard からの継続利用でアプリがかなり増えているが、その殆どはもう使ってなかったりする。これを丸ごと Lion 環境に引き継いでもあまり意味がない。
  • いっちゃん大事なユーザデータは、タイムマシンディスクからの手動コピーで復元できるので、タイムマシン復元に拘ることもない。
  • 最近、色々な不具合(タイムマシンドライブがバックアップが終わった後でも「利用中です」と取り出しできない、最新バージョンの Gimp が頻繁にクラッシュする etc)が出始めており、一度まっさらな環境から再スタートするのも、それなりに得るものがありそう。
  • 環境再構築が多少面倒なアプリ(Thunderbird とか)であっても、Library 下の設定をコピーすることで、実際はそれ程の手間でもなさそうだし。

等の理由から、手作業による環境再構築の方針に切り替えることにケテーイ。何だったんだ、今までの煩悶は…

以上です。そんな訳で、DVD からのクリーンインストール → 手作業での環境再構築を経て、現在は快適な Lion 生活を満喫できています。実際はもうちょっと色々な行きつ戻りつがあったんですが、勘違いに起因するものもあり、少しシンプルに纏めてあります。はー、大変だった… もし同じようなことで悩んでいるマカさんがおられるのなら、参考になるのを祈りつつ、この辺で。